①④ 実際にはどのような経営の歯科医院が多いのででしょうか？ −保険メインと自費メインのスタイル比較−

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❶年間売上高が5,000万円未満の個人歯科医院では、材料費などの売上原価は約３１％で、経常利益はわずか２４０万円（3.3％）程度と言われています。平均従業員数が約５名となっており、人件費が1,700万円で人件費率が４６％。

1人あたりの人件費約300〜320万円で、院長の給料（経常利益）よりも人件費が多くなります。
月間400万円の売上となると、実日数22〜26日として、1日あたり15〜18万円売上が必要です。

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保険診療報酬平均は5000円程度で保険だけで回すには1日平均約30〜36人診る必要があります。（月に50万円自費治療がある医院では、保険で15〜18人診る必要があります。）

1日の診療時間が8時間だと、1医院で1時間あたり3.75〜4.5人を診る必要があります。

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そして、総売上が8000万以下の医院は、節税よりも売上向上を狙った方が良いと言われています。8000万を超えてからが、節税すべきです。何故かというと8000万円を超えると納税額が一気に膨らむからです。

❷保険で経営がうまくいっている歯科医院の場合はどうか
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年間売上1億円の医院では、経常利益は約1,000万円（6〜7％）です。平均従業員数が10〜11名で、人件費が半分の約5000万円。

月間833万円の売上となると、診療日数が22〜26日として、1日あたり約32〜38万円が必要です。保険診療報酬の平均は5000円程度なので保険だけでは、1日平均で64〜76人診る必要があります。1日の診療時間が7時間だとすれば、1時間あたり9〜11人診る必要があります。

かなり、無理があります。2014年に大手法人の歯科医院が、「1日1人の歯科医師が40人丁寧に診る」と言ってましたが、本当に丁寧に診るのは難しそうです。

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❸自費率を上げる事は医院を助け、よりよい歯科治療を提供出来る唯一の手段

現実的に保険治療で回していくと、かなりの人員が必要となり更に、1人の患者さんに充てられる時間が極端にへってしまいます。

年間売上1億円の医院で自費率が50％の医院だとどうなるか考えてみましょう。

月間総売上833万円の内自費で416万円の売上があり、診療日数が22〜26日として、1日あたり約32〜38万円（自費16〜19万円）が必要です。保険診療報酬の平均は5000円程度なので保険だけでは、1日約35〜45人程度に減ります。1日の診療時間が7時間だとすれば、1時間あたり5〜7人になります。

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丁寧な診療と説明する時間を考えると、やっとこれで現実的になってきました。経常利益は2000万円前後となるでしょう。極端な例でもありますが、上位3％の歯科医業年商1億円の壁はこの位です。この領域に入ると、法人化や社会保険導入などの福利厚生を手厚く出来たり、内装や装置などの設備投資、子供の養育費、住宅ローンにも手が回りやすい環境が出来てきます。

医師の世界とは異なり、歯科医院院長の年商上限が分かってきたと思います。2億、3億と業績向上していく医院の理事長さんは、まあかなり凄い事が分かりますね。

私には、到底無理ですね。。。

今回の内容は、一億円を例にしたまでです。これを参考に、自分なら1日何人丁寧に診ることが出来て、どれ位の自費診療が出来るかをイメージして、1ヶ月の概算を出してみてもいいと思います。経常利益が多くなる見込みがあるのであれば、イニシャルコストや借入も大きめに設定してもいいかもしれません。

どの道、ただただ売上至上主義になるのは医療機関としては歓迎はされません。何事もバランス良く、目的をみうしなわない事が重要だと思います。

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