①⑧院内レイアウトや内装設備投資について

🅰️内装と設備投資
内装は、開業した後からでもコストをかけれる部分が多いです。更に、劣化もするので、メンテ費用や改装も考えておくべきです。壁紙は、よっぽど気に入ったものなら構いませんが、抗菌や水拭き出来るものがいいと思います。白い壁紙は汚れが結構つきます。5年周期程度で交換した方がいいでしょう。

床材は、診療チェアでごろごろ傷つくので、剥げてきます。耐力の強い材質を選びましょう。開業時の内装工事の床上げ時に、ユニット増設分の配管配線は通しておきましょう。

新規開業時は、設備投資も無駄なものは排除すべき。見栄を張って高額機材や設備ばかり揃えると返済に追われます。開業時、開業すること自体への思い入れや憧れがあると思いますが、大切なのは「軌道に乗せ、その後医院の細やかな面がアップデートされること」なので、先行投資しすぎて首が回らなくならないように気をつけましょう。大金持ちでなければ、自己満足は程々にです。

無理のない返済計画で、事業計画は立てましょう。助成金は、申請しましょう。低金利の金融機関に借換も可能です。後から新しい借り入れも出来ます。担保融資から無担保融資へのシフトも考えられます。カード決済出来る場合は、ポイントやマイルも一気に貯めましょう。

🅱️院内のレイアウトとユニット数
先ず、どんな理由で最初に何台のユニットが最低限必要で、最終的に何台必要なのかをきちんと考えましょう。院長一人で矯正や、自費診療メインでやるのにユニット数5台も要りません。むしろ2台で出来ます。

良さそうな場所に、支払えそうな賃料だからそこでやるという先生が多いのですが、本当にどれだけ必要かを考えて物件も探すべきです。目的と手段が逆になるべきではありません。

ユニット4台以上入れるのであれば、勤務医や多くの歯科衛生士を求人確保し、教育していく必要もある訳です。「最初2台で開業して、忙しくなってきたら1台ずつ増やして最大4台かなー」と口を揃えて皆さん言いますが、それを「なりゆき歯科医院経営」と言います。経営目的そのものがブレています。

「最終的にユニット4台で、自分と常勤歯科医師1人と、常勤の衛生士1人、非常勤衛生士1人、受付と助手の4〜5人体制でやりたい。それに向けて、最初はユニット2台で、衛生士1人と受付・助手2人で開業したい。」同じ事をしているようでも、考え方自体が全く異なります。

キッズルームを創るなら、何故キッズルームをつくるのか、どんなキッズルームにして、どんな風に使ってもらうのかを考えないと効果が半減しているかもしれません。例えば、保育士免許を持っている歯科助手を雇用する事を検討するのも効果的です。

カウンセリングルームを作るなら、何故ユニットでその話をしないのか、そこで行う事でどういう効果が生まれるのかを考えた方がいいです。無意味なスペースは、無駄な出費になるだけです。実は、カウンセリングルームを後から潰して他の部屋にしている医院も多くあります。当院もその1つで、もうユニットを入れてしまいました。

ポイントは、開業当初、過渡期、最終形態と空間を進化させていく事もイメージする事だと思います。子供が家を出てから、ただの倉庫みたいに使う家もあれば、きちんと改装して意味のある家創りを再検討する家があります。いかに無駄がなく、効率的で、効果的な使い方をしないとロスが多くなり勿体無いのです。

❄️因みに、完全個室にすると動線から離れてしまったり、扉の開閉が不便だったりもします。何より、その診療室以外のスタッフの動きも見えません。洗い場を奥にやると、洗い物ばかりして手を抜いたり、気を抜いたりするスタッフが生まれる事も多々あるようです。患者導入側は個室化して、私のお勧めは「スタッフ動線は開いている半個室」です。
 

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立川北デンタルオフィス院長 櫻田 博雅
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