勤務医時代に知っておくべき「歯科医院開業への道」

研修終了後、5年で開業した現役院長による「誰も教えてくれない歯科医院開業」のアイデアとヒント。

⑥② 「星の王子様」に学ぶマネジメントの真意

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歯科治療は、補綴物や修復物をセットしたら終わりではありません。むしろ、治療完了してから、メインテナンスの開始となります。患者さんをエンドユーザーと考えて、使い心地の事を考えて治療やメインテナンスをすべきだと思います。

 

 

エンドユーザーの直訳は、【流通経路を経た末端の消費者であり、最終的に製品を使う人。 多くの消費財では、購入者=エンドユーザーの図式が成り立つ。 従って、エンドユーザーの利便性を訴求することが、購買行動につながりやすい。】

 

よく陥ってしまいがちなのが、スタッフが院長や経営者の顔色を伺いすぎて、顧客のニーズに寄り添っていない仕事をしてしまうことです。エンドユーザーである患者さんにとって一番有益なことをすべきなのを忘れてはいけません。組織が大きくなる程以下の図のようになる傾向があります。

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ただ「予防歯科予防歯科」と言われても歯科医師なりたての私は、完全にはピンと来ていなかった時期がありましたが、「患者さんご自身が、メインテナンスしやすいように治す」という考え方に触れてストンと腑に落ちました。除痛や補綴修復だけではなく、「メインテナンスしやすくする」ことまで本質的には理解していなかったのだと思います。例えるなら、お掃除ロボットが動き易い設計、動きやすい様な家具の配置にしないと上手くお掃除出来ないのと同じです。床に物を置いてしまってはお掃除出来ないのです。

 

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そして、実際のメインテナンスにずっと通ってくださる患者さんが何を望んで、何を考えて通院してくれているのかを知りました。私達歯科医師がどうしたいから治療介入するのではなく、患者さんが何を望むのかを今一度再考すべきだと思いました。「ニーズ」とはよく言いますが、本質を理解しきれていませんでした。その時々に患者さんがどういう選択をしたいと思うのか、どうやってその選択肢を用意出来るのか、リスク回避出来るのかが重要だと後々知りました。

 

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歯周外科で骨整形をする事も、最後臼歯の遠心マージンやカントゥアを歯ブラシが入り易くする補綴形態にする事も、最後臼歯の遠心のメタルボンドのメタルアップして破折防止する事も、ダイレクトボンディング時にトランスペアレントセクショナルマトリックスで綺麗なカントゥアとコンタクトポイントを付与する事も、辺縁隆線の高さを揃えるような咬合調整も、全て「メインテナンスしやすくする為」に通ずるのです。

 

歯科医師側が、予防やメインテナンスの本当の価値や重要性を理解していないと、ただリコール率を上げたいだけだと患者さんやスタッフに思われてしまうかもしれません。

 

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星の王子様で有名なサン・テグジュペリの言葉に次のようなものがあります。

『船を造りたいのなら、材木を集めるために人を集めたり、彼らに仕事や作業を割り当てたりするな。

彼らに海の無限の広さへの憧れを教えよ。』

 

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人を成長させたいならば、最重要事項では無いでしょうか。院長如きになったとて、他人の脳の中に無理やり知識を詰め込んだり学ばせたりすることは決してできません。知識を得たり学んだりすることができるのは、本人以外の誰にもできないのです。スタッフ一人一人、患者さん一人一人が「自発的に成長・行動」できるように支援・教育・啓蒙する必要があるのです。

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「最良」「最高」「最善」とはどういうものなのかを魅せることが大切だと思います。子供の頃、其々に憧れの大好きなスポーツ選手やアーティストなどがいたことでしょう。彼らのようになりたい気持ちがあれば、辛い苦しい練習だって出来た筈です。夢中で熱中すれば体感時間も少なくなります。これぞ、目標です。「最良」「最高」「最善」を追い求める姿勢が、いかに美しく面白い事なのかを教えることがマネジメントです。

 

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「最良」「最高」「最善」を目指すには、悪戦苦闘七転八倒するに決まってます。多くの失敗や壁があっても前に進もうとする人間の姿は美しく面白い事なのです。院長などの経営者自身が「自分は最高の目標を持って、最高のものを追い求めているか」が重要だといいます。

人間は誰もが、未熟で未完成で不完全です。院長などの経営者がスタッフや患者さんに伝え教えられるのは、「最高のことをするための身につけた知識」ではなく、「最高のものになりたいという姿勢・生き様そのもの」です。

 

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人参ぶら下げて走らせるようなコンサルやマネジメントは、三流もいいところ。「おっとこ前」の心意気と明確な目的意識あってこその、マネジメントでもあり、予防歯科でもあると思います。

 

 

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立川北デンタルオフィス院長 櫻田 博雅

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