勤務医時代に知っておくべき「歯科医院開業への道」

研修終了後、5年で開業した現役院長による「誰も教えてくれない歯科医院開業」のアイデアとヒント。

⑥⑧与える事でしか成長は出来ないスタッフ育成。

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先日、7年前の開院当初に、四年半スターティングメンバーとして歯科衛生士をしてくださっていたTさんが、歯のクリーニングがてら来院し、そのままスタッフみんなでランチに行きました!


戦友でかつ、最も信頼されていた衛生士さんが、年に一二度顔を見せにきてくれるのがとても嬉しいのでです。産休中のスタッフや、都外に引っ越してしまったスタッフが、遊びに来てくれるという事は、良い関係を築けていたのだなと改めて思い感謝しています。

 

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彼女は御主人の転勤について行くことになり、泣く泣く手放した人財でした。思い入れのあるスタッフだったので、面接時に何かの力になりたくて僭越ではありましたが「推薦書」を書いて何部かお渡しました。就活の時に、履歴書と一緒に出してみてくださいとお伝えしました。多くの歯科医院で「あなた、大切にされていたんですね」と言われたそうです。

 

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彼女に新しい職場はどうですか?と尋ねると色々お話ししてくださいました。

「まず、ここの医院はとても自由だったんだなぁと分かりました。先生にいただいた推薦書のお陰もあって、5軒程面接していただきましたが全て合格はしました。大切にされていたんだねえと皆さんに言っていただきました。ありがとうございました。今の勤務先は細かい指示が沢山あったり、縛りや拘束も多いのであの時自由だったんだなぁと痛感しています。今、三軒(うち二軒は同法人)で週四パートなんですが、正直良く分からない厳しさがある院長が多いなので、スタッフ間の雰囲気もあまり良くはないのでフルタイムでバリバリ働くのにはちょっと抵抗がありしてません。患者さんとのコミュニケーションや診療自体は楽しいですが、中にドップリ...とまでは今はしていない感じです。」残念そうに語っていました。

 

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この方が新婚の際、ご主人が東京の東の果てに転勤した際も片道100分かけ通勤してくれていたので驚きました。私も30軒以上の歯科医院を見学し、5軒の医院で働かせていただきましたが、正直拘束や取り締まりが多いと痛感していました。ですから、自分がマネジメントする医院は窮屈ではなく個性を伸ばし合い、働いている事が楽しい医院を創りたいと思い続けています。

 

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楽しいまま厳しくする事も絶対に出来ます。これは、断言できます。しかし、多くの小さな城の王様達は、楽しくないマネジメントをします。自分の思い通りにならないと高圧的になるようです。猿山の大将になるのではなく、医院マネジメントと高品質化した方が良いのではないでしょうか。リーダーシップ論は様々ありますが、スタッフはリーダーを応援し、リーダーはスタッフを応援する方がいいのではないでしょうか。

 

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極論としては、独裁国家か、民主主義か、社会主義か、資本主義かに大きく別れるのだと思います。個人的な見解としては、どの体制にも利点欠点があります。その中で、最もリーダーがやりたい事でやるべき事を見つけ、その支持者を生み出すしかないと思います。そこには「意見を育て」、賢明に考え上げた指針や根拠が不可欠です。

 

 

 

 

「人が嫌がることをしてはいけない」と教わるから「自分を嫌な気にさせる人は悪者だ」というのが正論になってしまい、コミュニケーションが成立しなくなる。けれど、コミュニケーションで本当に大事なことは、まず「嫌なことは嫌だと相手に伝える」ことですし「嫌だと言われたら素直に引き下がる」「嫌だと思われる事をしなくなる」ことが重要だと思います。本質的には「適材適所で人に喜んでもらうように自分を律する」事が最も求められる人格です。

 

よく、新人が陥る『破滅パターン』があります。

 

❶怒られないようには必死になるが気配りが出来ない。

❷指導や教育のほとんどを「𠮟咤激励」に脳内で変換し指導者や職場自体を嫌いになる。

❸周りを見渡す事が出来ず優先順位が分かっていないので、すぐやるべき仕事を放置して、いつ誰がやってもいい仕事をしているのに「仕事してます感」は出す。無心で洗い物に逃げる。

❹もともとある人間関係の輪に入る際、年齢が下の上司に対しても異様にフランクに接してしまったり、若年者でかつ経験不足であるのに対等の関係を求め過ぎた態度になってしまい、同僚や上司に可愛がられない。

❺自分に合う場所は自分のお膳立てをしてくれる「都合の良い=居心地の良い」場所を求めているので、その職場にとって早く馴染み、人間として可愛がられる事を軽視している。

❻自分の仕事は非効率的で、先輩たちの仕事は高密度化・最適化しているにも関わらず、「私ばかり頑張ってるつもり」でいるため、他を批判的に見て被害妄想に陥る。

 

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体育会系の医院では、体育会系のスタッフが活躍します。多くは無いですが草食系医院では、スタッフも草食系が多いです。多くの歯科医院の院長は、目標や目的などが明確にある場合が多く社交性のある方も多いので、自然と体育会系で外交的なコアメンバーが育つ事になります。

 

院長の体育会系ノリだけでは不十分なので、それに愛想が尽きてスタッフと乖離してるパターンも見られます。何はともあれ、スタッフは患者さんに感謝されてる院長を尊敬し、考え動くようになりますので注意が必要です。

 

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大人になりきれていない学生気分の女の子が、沢山面接に来ます。戦力外は早目に見抜き不採用にし、育てる気になった人材だけ、恐ろしく長い目で見て院長は育て始めます。その時、既存の戦力であるスタッフにとっても、煮ても焼いても食えないような雰囲気が流れ始めると確実に退職する事になります。2ー6ー2の法則で言う所の下位20%は早めに損切りするのが得策で、後から化けることは期待できません。採用は「誰でも良い」訳では当然ないのです。2ー6ー2の法則についてはまた改めて書きます。

 

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その上で、スタッフが「院長が育てるって言ってるから、お姉さん達が一肌脱いで育てるか!」とならないといけません。先輩たちが、床掃除をしたりゴミ集めゴミ出しをしている時に、「私がやります」の精神がなく、仕事の線引きを勝手にして、座ってカルテ書きする新人衛生士は確実にその後退職します。新人とはどうあるべきかを理解していない人に伝えても仕方がないので、やらなければならない仕事を明確化する事になりました。

 

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これまでの失敗に学び、TKDOでは今まで当たり前に新人が学んできた事を「分かる化」「見える化」を試みました。最終的には「出来る化」を狙います。

1️⃣研修中や新人に率先してやってもらうべき仕事をリスト化し、やるべき事を最初から与える。
2️⃣優先順位を明確化し、事前に極力理解してもらう。

 

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ユニクロやコンビニやファミレスのように、規格化をしすぎた法人は私個人としては好ましく思っておりませんが、「見せても分からない」「言っても聞かない忘れる」「打っても響かない」世代に向けて、「お局からの説教」「院長からのパワハラ」などと誤解されない為にも、規格化が必要なのではないかと現在模索中です。私が、五十代、六十代になったらもっと変化に対応しにくくなると思いますが、ラッキーな事にまだ37歳の若造なので、スタッフの力をまた借りて規格化し、データと紙で渡し張り紙する事にしました。

 

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世の中の苦労には、「しなくていい苦労」「した方がいい苦労」の2つがあります。辛くない新人は居ません。涙を流さなくても辛い事はあります。悲観的な悲劇のヒロインになってしまう女の子の扱いは、いくらこちらが正しかったとしても何をしても焼け石に水となる事も残念ながら多いです。最近では、スタメン達に「本当に、院長気が長くなりましたね。優しすぎます。でも、その意味彼女、全く分かってないと思いますけど」なんて言われます。でも、それでもいいんです。いつか巡り巡って、誰かの医院に立川北デンタルオフィスで働いて辞めた人が働きにいくかもしれません。そこで働いた時に、雇用した院長先生や、本人が何か感じる事があればそれでいいのだと思います。私が、辞めていく行く全員にずっと優しくするつもりではありませんが、本音を言う必要もありません。与える事は有限ではありません。元気も優しさも湧き出て溢れ出ているものなので、掛け捨てで結構です笑。

 

院長として、歯科医師として、夫として、父親として、経営者として、一人の男として、一人の人間としてやるべき事を全うしようと思って生きています。図太く、雑草の如く逞しく、太陽や富士山の様に、与え続けられる人間に私はなりたいです。そして、そんな戯言を言ってる私を「仕方ないなーw。いっちょやってあげよっか!」と多くのスタッフが応援・賛同してくれているのではないかなと思い信じています。

 

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立川北デンタルオフィス院長 櫻田 博雅

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