勤務医時代に知っておくべき「歯科医院開業への道」

研修終了後、5年で開業した現役院長による「誰も教えてくれない歯科医院開業」のアイデアとヒント。

⑦技術としての対話能力:エレベーターピッチと脳内映像

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映画の予告編のように、15-30秒で伝えたい内容を端的にかつ、もっと内容を知りたいと思ってもらえる様な話術が「エレベーターピッチ」と呼びます。シリコンバレーのIT起業家達が身につけたスキルです。

エレベーターピッチを身につけるために、先ず「意見を育てる」事が最重要項目です。その上で、最も効果的な文脈(起承転結)を思案してからお話をする。余計な言葉を省き、洗練された腑に落ちる言葉を選ぶ事が重要です。

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長たらしくてオチもない話をずっと聞いてられる人は少なく、更にその詳細まできちんと聞いている人はなかなかいません。余計なところの説明が多かったり、結局のところ何の話をしているのか分からない人や、気分で治療方針を選択したりしていると尊敬されず、聞く価値がないと思われてしまうのです。

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行き先までのルート説明を電話でする際に、詳細を説明するにはセンスとスキルが必要です。「言葉で地図を説明する」よりも、「空想で脳内で映像を描ける人。自分自身がその道に居て、そこからどうやって歩いていくのかを脳内で描いて説明出来る」ことが説明の上手い人だと島田紳助さんが言ってました。

 

映画の予告編は、導入と要約があり、その先のミステリー的な気になる好奇心を煽ってきます。映画であれば映画館に行きたいと思って足を運べば一先ずの目的達成ですが、本質的にはその内容が面白かったかどうかも勿論重要です。

 

セラミックであれば、「白くて精密で頑丈な被せ物っていいな」と伝えたい訳ですが、どのような心掛けをして形成をしているのか、どの程度天然歯(ご自身の他の歯)に似せられる技工士と仕事ができるのか、どのような行程で精密に製作しているのか、どの程度の硬さがあり天然歯と比較するとどうなのか、他の補綴物と性状はどのように異なるのか、などを「本質的には自分で理解しているかどうか」と「本当に自分でもやりたいと思える程良いと思っているのか」が重要です。

 

金属代が高いからといってCRを無断で入れたり、患者さんにはコンサルせずにCR入れるけど自分が同じ状況ならセラミックInを選ぶのでは辻褄が合いません。自分にはやられたくない診療を患者さんにしていませんか?もし、していなければ伝える努力と技術を磨けばきっと分かってもらえる確率が上がると思います。もし、辻褄が合わないのであれば、患者さんの機会を失わせてもいる事を自覚しましょう。

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なお、スタッフからの報連相や申し送りにも、エレベーターピッチを使ってもらう事がベターです。診療中に、耳を傾ける時に、ダラダラ長く何を言いたいのか分からないなんて困った事も先生方も経験したことでしょう。要約した状態で話をしてもらえるように、心がけてもらいましょう。

 

※参考書籍 15秒で口説く エレベーターピッチの達人――3%のビジネスエリートだけが知っている瞬殺トーク https://www.amazon.co.jp/dp/4396615116/ref=cm_sw_r_cp_tai_xh0xAbYPTV27Y