勤務医時代に知っておくべき「歯科医院開業への道」

研修終了後、5年で開業した現役院長による「誰も教えてくれない歯科医院開業」のアイデアとヒント。

⑦①材料費と技工料金 材料と技工についてももっと考えよう🎵

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保険点数は、一定の行為に一定の値段しか付きません。時間が短く、コスト削減するほど得です。じゃあ、下手でも安くて技工士に頼むのか?問題です。

 

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多くの歯科院長にどこのラボに技工を出しているのか聞くと「うちは保険は〇〇だよ」とこぞって大手と回答します。たまに院内ラボがある人も居ます。大手技工所には沢山の歯科技工士がいますが、その中で保険診療の技工を担当し、開業したての医院の仕事は誰がやるでさしょうか。そうです。その技工所の中で最も経験が浅い新米DTが作ることになります。技工士学校は10年前から定員割れし、廃校の連続。CAD/CAMなどこれからAI化する事を懸念し、数は減少し続けています。

 

バイトが低く、コンタクトも緩い技工物では無調整で入れる事は決して良いことではありません。保険治療でも、なるべくいいバイトでいいコンタクトでいい適合で入れたいと考えるべきだと思います。バイトが高く、コンタクトもかなりきつい技工物では、調整に多くの時間が取られてしまう上にその分の金属代がどんどん無駄になっていきます。マージンが足りていない不適切な技工物は、医原性の破壊を助長させる可能性が高まります。。

 

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自費治療で収益をきちんと出せば、保険治療にもコストを分散出来ると思います。そのコントロールをすると、それは患者さんの口腔内にも表れてきます。妥協に慣れない事が重要です。技工士も作る技工物や種類によって松竹梅決めておいてもいいでしょう。技工料金が高い事を懸念し、安いけど下手な大手ラボに仕事を出していて「保険診療ではこんなもんだよ」の姿勢では、その医院の保険治療は壊滅的です。印象を取った時点で壊れるまでのカウントダウンが始まっているようなものです。

 

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業績が上がるほど、技工料金が多少かかってでも腕の良い技工士に製作してもらえばいいのではないでしょうか。その結果が、今後に繋がります。適合もよく、調整も少なく、信頼できる技工物があるだけで、先生の表情や言動に出てくる自信も変わります。適切な自信がある人を患者さんは信用しやすくなると思います。

 

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我々の仕事は、患者さんに依頼されておこない、技工士に依頼して製作してもらいます。セットしたら終わりではありません。むしろそこからメインテナンスのスタートとなります。「保険なんてこんなもん」と高を括らずに、「保険診療でも、うちではここまでは出来るようになった」と思いながら診療出来る事が大切ではないでしょうか。開業し、ある程度業績が見込めると、すぐの最新機材や二軒目に投資する人もいますし、私腹を肥やすだけの人もいます。そこを誠実な「自己投資」として、いい技工を料金がかかっても出してみることをお勧めします。私は、ほぼ同じ感覚で保険も自費も診療しています。同じように作品であることに変わりないからです。

 

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以前、依頼していた技工所が3軒ありましたが、どこも本当に下手で毎日苛々していました。それを見かねたセラミストの立川デンタルラボラトリー平野さんが「先生の医院だけ保険もやりましょうか?多分、大手じゃ先生のお眼鏡には叶う事はないです笑」と言って引き受けて下さいました。そちらに依頼する様になってからじゃ、無意味な調整や不適合での再製作は極端に減少しました。正直、保険治療でも十分機能してるものばかりです。平均耐用年数を下回って再治療する事などありません。保険だからダメで、自費だからいいだけではありません。誰がどのように治療しメインテナンスするかが最重要なだけです。

 

 

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 CRも保険適応の中でも材料費は上下あります。技術は同じだとしたら、非協力的な患者さんなど入れば、我々は少し原価の安い材料で完璧を目指して治療しています。特にコンプライアンスが良く取れている方には、余力や時間のある限り手目暇と原価をかけて、最良の治療をするようにしてます。

 

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赤字とまではいかなくても、精一杯のレベルを上げて治療すると、患者さんにも伝わります。出来る限り言葉で伝えるといいです。「言葉にできないことは、考えていないのと同じ」という言葉があります。言葉に出して初めて伝わることもあるので、なるべく口を動かして伝えましょう。一度、保険のCRで充填したものを、1ヶ月後に「やっぱり先生のオススメのダイレクトボンディングに変えてもらうことって出来ますか??」なんて言っていただきやる変えることも少なくありません。

 

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大手の技工所では、営業と製作者が別人です。製作者と直接話し合って仕事ができません。顔を見せてくれて、コミュニケーションを取りながら一緒にベストを尽くしてくれる技工士さんと出会える努力も絶対にした方がいいです。信頼関係を築ける努力を相互的に出来るといいですね。

 

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そして、「デンタルショーには行くべき」です。昔か同期や先輩後輩を誘っても、家族サービスや日曜診療で行けない先生が多いのですが、私は、元々のガジェット好きなのも功を奏し、材料・機材が好きなので毎年行ってます。午後休んででも、行った方がいいと思います。カタログでは、手に持ったり目で見ることも出来ません。その場で浮かんだ疑問点なども、聞けません。興味が元々ない製品であっても、その場に行って営業さんt話していると興味が湧いてきたりもするものです。ショールームは、勿論バイアスがかかりますし、他のメーカーのものはその場では見れませんのですぐ比較は出来ませんが隣にあるから便利です。セミナーや学会の時に協賛でも来ている業者もありますが、その時よりもゆっくり見れますし、毎年更新された新しい商品にも出会えます。今年は、ワールドデンタルショーが10/5〜7まで国際歯科大会と同時開催ですから、今から予定を空けておきましょう!


そして、多くの歯科医師が集まる場所には、他の歯科医師達も興味関心があるものがあります。世の中の自分以外の歯科医師の動きにも敏感になっておく事はとても良い事だと思います。

 

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何度も言ってますが、歯科業界はガラパゴス化しているアナログ思考です。世の中はIT・AI・IOT時代。超情報社会。超信用社会です。寝転がってても入る情報しかない愚者と、自分からどんどん情報を取捨選択し続ける賢者の差は易々と開く一方なのです。私は、常に情報を取りに行きます。知らない事を知ったかぶりせず、恥ずかしげもなく質問をし続けられる「素直さ」「謙虚さ」を持っていたいと思っています。先手必勝だけではありませんが、早いうちに情報を取捨選択出来る位置に自分を配置する事もマネジメントの極意です。変化を嫌い、同じ事しかしていないと時代に置いていかれ必要とされなくなってしまいます。そうなってからでは遅いのです。

 

 

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立川北デンタルオフィス院長 櫻田 博雅

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