⑧④テナントと戸建開業の違い
クリニック開業のロケーションにはビル診、戸建て開業、モール内開業、歯科医院継承開業など色々なパターンがあります。今回は、「テナント開業」と「戸建て開業」について説明します。
当ブログ①⑦歯科医院開業の立地条件の続編です。
✴️戸建て開業とテナント開業の違い
地域性からみて、都市部はテナント開業、郊外は戸建開業が多い傾向にあります。都心部は売り物件が数少なく、新規に土地を見つけ当て建設開業するので、期間と多額の資金調達が必要で大変です。都市部は空きテナントで集患力のある場所にオープンも可能。開業資金も抑えることができます。
郊外は安く、広い敷地を確保できるメリットがありますが、開業に適したテナント物件は多くはありません。新興住宅開発やモールの開発など、将来的に人口が増えることが十分に予想できるエリアであれば、積極的に土地を確保して戸建開業を考えることも可能。
テナントは内装工事費程度で済みますが、戸建の場合は土地も建屋も必要なので、その分、多額の資金が必要になります。フローが停滞しやすくなります。何度も言いますが、大切なのは流動資産。フローです。
戸建開業には駐車場が不可欠です。例えば、都市部では、住民や電車通勤している会社員がターゲット層であれば、駐車場はなしでもいけます(あるに越した事はありませんが)。ですから、都市部の戸建てで駐車場がある医院には希少価値・付加価値となります。近隣の駐車場もチェックしておきましょう。
※建築と内装の施工費の目安
テナントで30~40坪の場合は、坪単価60~70万円、戸建てで50~60坪の場合は、坪単価は80万~90万円くらいが目安となるそうです。
これはあくまで平均的で基本的な施工費の目算です。
🐚テナントの改築には要注意
多くのテナント物件は一般的な事務所向けに設計されているので、ユニットに合わせて配管配線を施工するのに30cm程度床上げをしなければなりません。結果、天井が低くなるリスクがあります。床の耐力も重要です。スケルトン返しが基本なので、売却や撤去の際の事も考えておきましょう。
1️⃣戸建てのメリット
自由度が高い
拡張性がある
駐車場を確保がしやすい
地域密着生涯かかりつけ医になりやすい
建物や看板による視認衆知性
アクセス的に診療圏が広がる
スペースに余裕があり広い
2️⃣戸建のデメリット
イニシャルコストと自己資金が嵩む
メンテナンス維持費(植木や外工までも)
人材確保が難しいことがある
工事の計画や打合せ時間が増える
3️⃣テナントのメリット
イニシャルコストとランニングコストも抑えられる
立地を選べる 不測の事態でも移転可能
人材確保がしやすい
4️⃣テナントのデメリット
駐車場がなく拡張性がない
路面店でないと視認周知性が悪い
競合が多いのでスタッフも患者さんも流れ易い
コンビニやファーストフード店跡地は徹底して調べてはいるお墨付なので、最適のロケーションといえます。
医療ミスを起こし裁判に敗訴、風評被害、やってみたもののロケーションとマッチせず場所を移したくなるリスクも考えたら最初はテナント開業が一番と言えます。土地勘の無い街を、開業支援してきたディーラーや不動産屋に勧められて開業するケースもありますが、愛着が湧かず手放す事もよく耳にします。
先ずは、その土地に何度も足を運び過ごして、近くの情報に触れ体感して、なんなら住んでみてからでも開業は遅くはありません。誰かなにかのせいに言い訳をするのは簡単ですが、全責任は院長にかかります。責任と期待と見えない未来をきちんと熟考してから選択しましょう。
描いているスケールが大きい人の場合は、戸建て開業が向いているかもしれません。但し、人材確保や育成に注ぐ時間と体力も一生必要となるので診療意外の苦労が嵩むと思われます。
本当の意味で、考えて考え抜いてから選ぶ事、選んだ答えを正解にし続けられるように努力する決意をもつ事が重要だと思います。
夢や目標は大きな程良いと思いますが、ステップとハードル、身の丈はある程度理解しておきましょう。
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立川北デンタルオフィス院長 櫻田 博雅
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